初詣に行って、ちょっと美味しいものを食べて。
久しぶりのデートだった。
もうすぐ、センター試験だから貴方としばらく出かけられない。
羽を伸ばして貰いたくて、少し遅くまで遊んでみた。
貴方はくああ、と背を伸ばすと、しみじみと言った。
「久々に遊んだね」
「そうですね。楽しかったです」
「うん、わたしも!」
貴方の弾むような肯定が、嬉しかった。
「ちゃんと合格祈願したから。大丈夫ですよ」
「そうだといいけど。
まあ、頑張るしかないよね」
「先輩は運がいいですから」
「そうかなあ」
家が隣というのはいいことだ。ぎりぎりまで一緒にいられる。
楽しかったデートは終わり。もう家についてしまっているのだから。
でも、なんとなく離れがたくて、こうして話してしまう。
寒いから貴方は早く家に入ったほうがいい、と理性ではわかっているのに。
なんとなく会話が続いて、また明日、の一言が言い出せなかった。
くしゅん。
貴方がくしゃみをする。
家に入った方がいいですよ。その一言が言えなくて。
「あの、家でお茶でも飲んでいきますか?」
「……うん」
貴方は嬉しそうに笑ってくれた。
貴方も同じ気持ち、なんだろうか。
「デートは終わっちゃったかもしれないけど。
まだ、今日は終わってないもん」
「勉強……いいんですか?」
「今日は譲くんといっしょにいるって決めたから、いいの」
ね、お茶にしよ。
きゅっと腕につかまって、貴方は俺を見上げた。
貴方のおねだりに俺が逆らえる筈はない。
一杯だけですよ?
そういいつつも、きっと俺のほうが貴方を帰したくないとそう思っている。
本当にずるいのは俺の方かな。苦笑いした俺を貴方は不思議そうに見上げた。