出来るなら貴方の笑顔を見たい
緊張しながらレヴィアス様の部屋の扉をノックする。
扉の向こうにはちゃんとレヴィアス様の気配がある。
ルノーの気配とは違い揺ぎ無い意思の力によって制御された強い魔導の力。
ノックをして、暫く待つと入れという声が聞こえたので扉を開ければ、
レヴィアス様は窓から外を眺めていた。
「レヴィアス様、失礼します」
「お前か、……何だ」
レヴィアス様の中のわたしってどういうイメージなんだろう。
おかしなやつ?へんなやつ?あわてもの?
それは別に外れてはいない。
でも少しでもレヴィアス様に笑顔が増えたらいいと思う。
例え自分が馬鹿にされていたとしても。
「お願いがあってきました」
「まあ、お前が用もなくここへくることはないだろう。
何だ、言ってみろ」
「もうすぐ祝祭日ですね」
「俺にそれを祝う習慣はないが、まあ、そうだな」
「こちらでの休暇ももう終わりなので、その、
……皆でパーティをしたいんです」
「パーティ、か。
フン」
レヴィアス様は一瞬遠い目をしたけれど、すぐに頷いて、
「俺の名前で開かなければいいさ」
「レヴィアス様のお名前で?」
「俺主催では誰も寛げないだろう?
俺の許可をとってお前主催でやるがいい。
それに祝祭日のパーティの勝手など俺はわからないからな」
「えっ?」
「そんなものに俺が出席したことがないからだ」
「出席したことがない!?」
わたしの驚き方が面白かったのか、レヴィアス様は苦笑いして、
「……そこまで驚かれるとは思わなかったぞ。
出席する機会とやらに恵まれなくてな。
お前の思うとおりやってみろ。
まあ戦前でたいした金は出してはやれないが」
「いいです!
そんなに豪華なものにするつもりはないんです。
皆にも手伝ってもらって手作りの暖かいパーティにしたいと思うんですが」
「そうか。
あまり想像できないが、期待している」
「はい。
これから買出しに行きますので、そろそろ失礼します」
「ああ」
ひっそりと笑ったレヴィアス様が何を思っているのかはわからない。
「レヴィアス様の初めての祝祭日のパーティが
楽しいものになるように、頑張りますね」
「……楽しみにしているぞ」
でも、少しでもいいから笑って欲しい。
わたしはぺこりと礼をしてレヴィアス様の部屋を出た。